タロットには大まかに分けて3種類あります。
ライダー版、マルセイユ版、それからトート版です。
それぞれの特徴や違いを見ていきましょう。
ライダー版とは
最も広く初心者からプロまで愛用されているタロットカードです。
ウェイト博士が構想し、パメラ・コールマン・スミスが絵を担当しました。
アール・ヌーボー調の柔らかい絵柄です。
ウェイト博士が著した『The Pictorial Key To The Tarot』という公式の解説書があります。
大アルカナの8がSTRENGTH(力)、11がJUSTICE(正義)のカードです。
小アルカナがほぼ全て人物が描かれていて、具体的なシーンになっているのでイメージが湧きやすくなっています。
正位置・逆位置をとって占うことが多いです(正位置・逆位置をとるかは占い師によります)
ウェイト版を選ぶメリット
・小アルカナ全てに人物が描かれていて、具体的なシーンをイメージしやすく、カードの意味を連想しやすくなっています。
・ライダー版は参考書籍が豊富なので、いろんな先生がさまざまな視点から解説されているので独学がしやすいです。
・ライダー版を教えている講座も多いので、学び方の選択肢が多いです。
・ライダー版をベースにしているタロットカードが多いので、ライダー版を勉強するとその知識を活用できるタロットカードが多いです。
ウェイト版を選ぶデメリット
・小アルカナが具体的なシーンで描かれているので、却ってそのイメージに縛られる可能性があります。
・正逆を取る場合は、逆位置も覚える必要があります。(正位置・逆位置をとるかは占い師によります)
マルセイユ版とは
CBD Tarot de Marseille by Dr. Yoav Ben-Dov, www.cbdtarot.com
マルセイユ版は18世紀ごろにフランスのマルセイユで印刷されていたタロットカードの絵柄の総称です。
当時は木版印刷でしたので、木版画の素朴な絵柄が魅力的です。
大アルカナの8がSTRENGTH(力)、11がSTRENGTH(力)のカードです。
小アルカナがトランプのようにカップやコインなどのシンボルが数字の数だけ並べられているので、絵柄からはカードの意味をイメージしにくいことが多いです。
小アルカナの正位置・逆位置が分からないものが多く、基本的に正逆は取らないことが多いです。
マルセイユ版を選ぶメリット
・魔術的な知識や要素が(基本的には)無いとされているので、マルセイユ版が一番シンプルです。
・小アルカナがシンプルな数札なので、絵柄の印象からポジティブ/ネガティヴの2極イメージに引っ張られ辛く、カードをフラットに解釈できます。
・スートの意味×数字の意味のようにシンプルにシステマチックに覚えやすいです。
マルセイユ版を選ぶデメリット
・小アルカナが数札なので、人によってはイメージを広げ辛いです。
・参考書や講座が少なめなので、ウェイト版に比べて独学し辛いです。
トート版とは
アレイスター・クロウリーが構想し、フリーダ・ハリスが絵を担当しました。
抽象的でアーティステックな絵柄が特徴です。
アレイスター・クロウリーが著した『トートの書』という解説書があります。
クロウリーはウェイト博士と同じくゴールデンドーンという魔術結社に所属していたため、トートタロットはゴールデンドーンのタロット体系を受け継いでいます。
そこにクロウリーの思想や知識が詰め込まれ、トートタロットは完成度の高いタロットとなっています。
必要な知識量の多さから中上級者向けともされています。
他の2種類のタロットとは異なり、大アルカナの8がAdjustment(調整)、10がFortune(運命)、11がLust(欲望)、20がThe Aeon(永劫)となってます。
小アルカナが抽象画なので、心情や状況を直感的にイメージで受け取りやすいです。
正逆は取らず(取る方もいらっしゃいます)、エレメント同士の相性でポジティブに読むかネガティブに読むか変わってきます。
トート版を選ぶメリット
・小アルカナが抽象画なので、ウェイト版程イメージが縛られず、マルセイユ版よりもイメージがハッキリしています。
・大アルカナ/数札/コートカードの描き分けがハッキリしているので、スプレッドした時にパッと見で大アルカナ/数札/コートカードの見分けがついて、どこが一番大事なポイントか把握しやすいです。
・全てのカードに西洋占星術の惑星や星座が対応されているので、西洋占星術を学んでいる人には
とっつきやすいです。
トート版を選ぶデメリット
・解説書の『トートの書』が難解で、さまざまな知識が無いと読み込めないです。
・日本語の参考書や講座が少ないので、ライダー版やマルセイユ版に比べて選択肢が少ないです。
・小アルカナが抽象画で具体的なシーンが描かれていないので、人によってはイメージが湧き辛いです。
・エレメント同士でポジティブ/ネガティブの判断をするので、慣れが必要です。
・トートタロットをベースにしたタロットカードは少ないので、似たようなタロットカードを探そうとしてもほとんどないです。
まとめ
タロットの中でも使用者が多いカードの特徴とメリット・デメリットをざっとあげてみましたが、結局、どのカードから始めてもタロットを続けている限り沼に辿り着きます。
どのタロットカードが「簡単か難しいか」よりも、ピンときたカード、イメージや言葉が湧いてきやすいカード、心惹かれるカードを選ばれると長くお付き合いしていけます。
最終的にはその人とタロットカードとの相性が大事なので、メリット・デメリットはあくまでも参考までにどうぞ。